■はじめに
ここ数年間、資金調達に関する事例やノウハウの共有はおおきく進みました。
しかし、事業フェーズごとに起業家がぶつかる壁(課題)についてはあまり共有されていません。
壁にぶつかる度に先輩経営者へ相談している人がほとんどです。
そこで今回、急成長してきたスタートアップ、もしくはここ数年でIPOした会社のCXOに対してヒアリングを行い、事業フェーズごとに「気をつけるべき課題」についてまとめてみました。今回はアーリー期編です。
将来何が起きるのか、あらかじめ把握しておくのがベストだと思うので、ぜひご一読ください。記事は定期的にアップデートしていきます。
事業成長期(10→30)アーリー期:気をつけたこと・失敗事例
完成した商品を市場へ広げていく段階。事業成長のための組織づくりを試行錯誤し、採用活動・技術力強化・マーケティング力強化・人事制度の設計などを行う。
人材採用の失敗事例と気をつけるべき点多数
起業家コメント
資金調達をして、役職者を採用する場合、ついついSO(ストックオプション)や高い給与をノーロジックで設定しがち。これは注意した方がよい。一見優秀な経歴をもつ人でも、ハードシングス(答えがない難問や困難)を乗り越えたことがない人だと、困難に直面したときに逃げたりするし、既存メンバーからの不満がでやすく、社内不和に繋がる。能力を褒めるのでなく、結果を評価すること。結果を出してから役職を上げていけばよい。
従業員マネジメントは過去に一度失敗している。8番目~15番目までのメンバーは全員会社を辞めた。そのときは安易に人を採用していた。人が増えていくこと=イケていることのように感じてしまっていた。今は一緒に働きたいか、その人のマインドを重視して採用するように変化した。現在は巻き込みたい方のタレントプールづくりも行っている。
スキルは高いけど、マインドが低い人の採用は絶対に避けるべき。過去にこのタイプを役員に入れた結果、会社内で派閥を作ったり、社長の悪口を裏で言う風潮をつくられた。その際は外部の組織づくりが得意な方に入ってもらい、立て直しを図った(その問題役員を首にする等)。今は採用するときは、社長のみならずメンバーも評価を行い、求める人材について議論をして、会社の文化と合うかどうかをちゃんと判断するようになった。採用後も、採用して成功だったかどうかをディスカッションして、面接力を上げている。
経営者が採用やブランディング活動に積極的であることがエントリー増やすのに重要。採用候補者からすると、経営者のことを知らないでエントリーするのは難しい。社長が発信したくないなら、No2が発信する等、経営陣の誰かが発信をする必要がある。
採用後の期待値コントロールをしっかりやらないとハレーションが起きる。いきなり役員ポジでの採用ではなく、まずは普通に従業員として入れて成果で評価してから判断する等のプロセスを踏んだほうが良い。また、評価についても社長がすべて見えていると思い込みがちなので注意。メンバーの自己認識とズレがおきやすので、メンバーとの対話をとおして期待値コントロールをじっくりやるべき。
本気でIPOを目指すなら、自分より優秀な人をちゃんと採用すること。実務を回すオペレーターばかりを採用して、優秀な人を採用しにいっていないなら、どこかで心にブレーキがある証拠。私の場合、口ではIPOと言っていたが、本心ではIPOを目指そうと思っていなかった(当時は自分でも気づいていなかった)。そのため、自分より優秀な人を避けていたし、口説きに行っていない。
メンバー内でパッションがあるうちは問題があっても何とかなっていたが、思い通りに会社が成長しなくなった瞬間、メンバー間の歯車が狂い始めた。問題が起きたとき、自分のミスを隠蔽しようとするメンバーも現れた。意見や思想、価値観が割れに割れ、チームが二派に分かれ、何人ものメンバーが去っていった。企業カルチャーを大事にし、価値観で人を選びべき。
経歴が素晴らしく能力も高い人であればあるほど、割と今までの人生を自分の思い通りに生きてきているのでHard Thingsに脆く、自分のComfort Zoneに逃げたくなる人が多い。そういう意味でも経歴や能力に関係なく、たくさん挫折や悔しい想いをしてそれでも諦めず粘り強く問題を解決し、這い上がって来た経験がある人間は本当に強い。
上記に加えて、Relux 篠塚氏が作成したnote「【超長文】スタートアップ経営で現れる壁と事例とその対策について」が大変参考になるため、以下に概要を抜粋記載する。より詳細を見たい方はnoteをご覧ください(必読なnoteです)。
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採用基準をスキル、ポテンシャル、ロイヤリティの3軸を取り入れて点数を決めて内定かお祈りかという判断を行うようにしている。これは結果的に非常にワークし、創業から5−6年ほどの100人近くになるまで組織の問題は一切合切全く発生しなかった。
スキルはそのまま候補者のスキルを指すが、候補者の即戦力度合いを表す。過去の実績や面接や課題のアウトプットから判断をする。
ポテンシャルとは「入社後成長率の推定」である。地頭の良さや、素直さや、人柄など抽象的な面も含めてきちんと評価をする。
ロイヤリティとは、会社へのロイヤリティや、Why Relux?が、しっかりしている人を見させていただくものである。この点数だけは一定を下回ったらどんなスーパー営業マン、プロダクトマネージャー、エンジニアであろうとも、内定を出さない。実はこの指標やジャッジこそが非常に重要であった。ここのロイヤリティ点が低い人の多くは困難に出会うとすぐに辞めたり、組織をBad方面に持っていくタイプに多いことがわかっている。
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聞き手コメント
どの会社も共通するよくある失敗は「安易な採用活動」でした。資金調達をしたら、事業を伸ばすために採用活動に動く方は多いと思いますが、スキルだけをみて採用したら後から問題が起きて組織崩壊するパターンがすごく多い印象。ビジョナリーカンパニーでも言われていますが、人材は重要ではなくて、本当に重要なのは「適切な人材」だという言葉のとおりですね。
役に立ちそうなお薦めサービス
全員経営者マインドセット Mind Skillマトリクスで実現する次世代組織 [本]
元ガリバーインターナショナル専務取締役をしていた方の本。変化の激しい環境にも適した組織経営や、急成長を志向するスタートアップにお薦め。著者はPOLやFiNC等の急成長スタートアップの役員もされており、最近のスタートアップ組織論でも役立つはずです。
ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則 [本]
100年続く会社を研究している名著。経営の原理原則となるエッセンスが多く書かれているので必読。
信託型ストックオプション(時価発行新株予約権信託)
※他社事例も含めて実例の個別共有会も実施しています
上場企業・未上場企業合わせて100社以上がこのスキームを導入しており、優秀な人材を巻き込んだり、従業員のモチベーションを高めるために導入しているスタートアップも多いようです。
ジョブカン採用
応募獲得から採用決定までの業務を“一元管理”するサービス。
HERP ATS
社員が自律的に採用活動を行う「スクラム採用」を実現する採用管理プラットフォーム。
※以下、参考までに採用管理系の比較図を掲載しておきます。起業ログの比較記事はこちら
組織マネジメントが必要となり、人材育成の壁も発生するタイミング
起業家コメント
目標に繋がる形で日報とそれに対するフィードバックをちゃんやれば、部下が上司をロールモデルとして新しい気付きを得られる。そうすると成果がでる。なので、報告させることは重要ではなく、報告に対してちゃんとフィードバックをして改善していくって流れを作ることが重要。
上司がフィードバックにコミットできるかがすごく重要。マネジメント1人であれば30人までであれば可能。同じくらいフィードバックできるミドルマネジメントがいるなら100名以上でも耐えうるので育成が不可欠。
毎月全社会議をやっていてよかった。前月どうだったのか、今月何をするのか、その際にみるのは市場のシェアとか。業界課題や自分たちが取り組んでいる理由などをみていた。ただ、月1回全社飲み会をやっていたが、あんまり意味は無かった。
自社主催セミナーは営業マンの育成にすごく役立った。営業は自走できる手段を作れるかが鍵になるので、セミナーで話さないといけないというギブスをはめるとセミナーに向けて頑張る。そこで顧客から評価されたという実感があると勝手に上手くワークしていく。自分の顧客と一緒にセミナーで話していくとか、成長に繋がっていくのでお薦め。
カルチャーの軽視は絶対にダメ。事業が上手くいかないときに一気に割れて、問題が起きる。乗せるべきじゃない人を船に乗せている状態になるため、企業カルチャーを大事にし、価値観で人を選び、残すのがよい。
経営情報の透明化はかなり効いた。事業数字を徹底的に可視化して全社に共有。社員全員に共有していて、KGIだけではなくKPI、MAUなどもろもろの数字周りをすべて共有している。透明化の具体的な効果として、ファクトベースの議論ができるようになったのがすごく大きい。今までの会議では、うまくいっているのか、うまくいっていないのかを主観で語る不毛な議論が起きていた。そうすると声の大きい人や肩書の高い人の声が通ってしまう。
シェア30%もとうぜという話は社員の受けが良い。売上いくらってのだとモチベがダメ。社員がワークするのは2パターン。きいていたメッセージ①会社を踏み台にして価値を高めてください(会社の為ではなく、自分のために働くという考え。その場所で価値を出すというのが重要になる)、②競合とのシェアを定点観測してシェアしていた(自分たちが胸を誇れるために戦うという話)になる。仮想敵国があるほうが頑張れていた。ノルマにするというよりはシェアを負う方が動いてくれやすかった。
採用のプロセス化もすごく効果的だった。採用すべてをマネージャーやエージェントに任せてしまうと、採用がうまくいかなくなる。人員計画も含めて遅々としてワークしなくなる。経営会議で採用の進捗をちゃんと報告させるだけで採用スピードが全然変わった。
資金調達すると、お金が入ったんだから、これをやらせてほしい。とか給与をあげてほしいとか、単純にお金が自分たちに投資されるって勘違いする人が多いのでそこは何に使うんだよ。ってことを社内のメンバーに刷り込む必要がある。基本的には調達したからってメンバーが楽になることはあまりないし、むしろ忙しくなる(挑戦する)ことも多い。っていう認識をどこまでしてるかが重要。
目先の定量的な目標や手元のタスクを一旦止めてでも組織創りに本気で取り組むべき。なぜなら、強い経営チームはその後、何倍もスピードアップして事業を推進することができるから。
普通の企業だと、「あと2年は外注で行けるでしょ」的な感覚のバックエンドですが、採用による労務、経費処理、給与の振込、、、、速攻でパンクします。僕はまずは会社の土台となるバックエンドこそが、成長へのカナメであり、あとで創業者ふくめ、主要メンバーが要らない業務に時間を取られなくて済むかなと。ビルゲイツがインタビューで創業期の成功の秘訣の一つに、管理部に肝っ玉お母さんキャラを雇って、掃除を含め自分たちを開発やビジネスに集中させてくれた影の功労者がいたと言っていました。それを参考にしています。
社長の業務減らすためにコーポレート側で社員、アルバイトを採用を実施。あと業務委託でIPOの経験がある人にバックオフィスの構築だけ単発で任せました。守りなのでついつい採用を後手にしちゃうのですが攻めの人員同様、守りの体制も強くしました。
聞き手コメント
この段階はそれぞれの組織にあった仕組みを模索する時期。会社によってはKPI管理やOKR設定、ウィンセッションの実施、1on1 MTGなどの評価基準づくり、人材育成の仕組み作りをしているところも。この時期に創業者のワンオペから、チームとして動ける仕組みを整えている会社は早期に壁を乗り越え、逆に勢いのまま突っ切ろうとするスタートアップが躓いているようです。
役に立ちそうなお薦めサービス
yell時間がない管理職に代わって、社外人材が行う「オンライン1on1」サービス
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1on1の事前準備・ログの蓄積・振り返りをサポートし、より具体的な課題解決に向けた対話の時間を創出するHRサービス
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人事制度コンサルティングの会社。ブログの内容がすごく参考になるので一見の価値あり。
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あしたのクラウド
社員情報管理から目標設定、評価、給与改定通知の送付など人事評価業務をトータルで提供する管理サービス。
※以下、参考までに人事評価系の比較図を掲載しておきます。起業ログの比較記事はこちら
初期の営業体制づくり
起業家コメント
ほとんどのスタートアップは法人営業未経験者の集まりであり、法人営業のノウハウがない。そのため、素人が試行錯誤するよりも経験者から学ぶことが最短の道。外資コンサル時代は1スライド1メッセージといわれたが、法人営業ではこれじゃダメで、いきなり顧客の課題っぽいものを5つ出したほうが刺さる。「無敗営業」という本を読むことがオススメ。
営業のアポ率が低いことは当たり前であり、地道にテレアポを継続することが成果に繋がる(受注に至る)し、実際にそうだった。テレアポの是非を問うことに、議論の余地なし。
超絶能力の営業(営業責任者であることが多い)もいるが、彼ら彼女らは自分の基準が高く、仕事のクオリティも高い一方、人にも同じレベルを要求するため、マネジメントに向かない。どこかでチームでの営業体制にシフトしていく必要がある。
初期はサービスが標準化されていないので、納品クオリティが低い。その場合、クオリティの改善を優先的に行う必要があり、意図的にクオリティ改善の優先順位を上げる必要がある。クオリティが低いままだと、オペレーションで支える必要があり、負荷が大きすぎて潰れる。クオリティを高くすることでオペレーションを安定させ、営業に力を注ぐこと。
当時の自分たちの実力では届かないエンドユーザー(大企業の人事部など)に対して、パートナーセールスの形から実績を積んだ。自社プロダクトの販売代理店に自社社員が常駐して、彼らのリソース先で売っていく。単なる代理店契約だけじゃ動かないのが人。
自社を制約する形での契約はしないほうが望ましい(著作権を相手に渡してはダメ)。そのため、顧客とプロダクトの権利交渉はかなり重要でありハードネゴシエーションが必要となる。
普及率16%ライン(キャズム超え)が難しく、この普及率16%までがチャンス。イノベーター獲得なのか、アーリーアダプターの獲得なのか、アーリーマジョリティーの獲得なのか「とにかく売上をあげるために、リードの数を増やしたい!」という思いだけで、営業代行会社、テレアポ代行会社に外注するとPDCAを回しづらくなる。なので、そもそもの獲得するペルソナ像を明確にして、この価格設定でよいのか等を考える必要がある。1.料金の見せ方、2.コンタクト方法(メール、オンライン広告、電話、テレビ等)、3.獲得CPAを考える必要がある。
各プロジェクトに対して、想定される開拓リードを明確化。人材系サービスであればテレアポ。SaaS型サービスであれば、メール送ってから電話。受託系サービスならメール送って、オンラインサービスにアクセスさせてから電話等。
プロダクトのみで売れる企業はSaaS企業ではあまりいないため、営業組織での外販が必要、そういう泥臭い営業を構築する気持ちがないとやっていけない。Time to Sale(初営業から成約まで大体60日)、Time to use(オンボーディング、セットアップを使えるまでの日数)、Time to value(アンケートでいつ凄いと思いましたか?と聞くのが一番)、これらが短ければ短いほどよい。
市場認知がまだされていない時に、WBSのようなテレビ露出があり、その際はすごく伸びた。広報系のリレーションは定期的にコミュニケーションしていないと取り上げてほしいタイミングを狙えないので、早期からやっておくべき。副次効果として、メディアに掲載されると社員のモチベーションが上がる。TechCrunchとか日々日常的にみているメディアに自社が掲載されるってのはすごく良い。会社に対して胸が張れるかがすごく重要になる。
ユーザーは増えてるのに売り上げが上がらない状態はできるだけ避ける(広告系は相当な数のユーザーが必要であり、資金調達能力が問われる)。C向けサービスでも早期にマネタイズモデルを複数模索しておくべき。
聞き手コメント
初期の法人営業は経営陣が担うことになるのが大半であり、手探りで試行錯誤をする会社も多く見受けられます。業界での営業経験がないと勘所が見えづらかったりするので、早いうちにその領域における営業のプロからうまく学び取るか、仲間に迎えるかして体制を整えている先が急成長しているようでした。
役に立ちそうなお薦めサービス
『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』(著者:高橋浩一) [本]オルガロ
初期・固定費無料の営業代行・営業支援・テレアポ代行・テレマーケティングを提供(成果報酬型営業代行)
SIPS1
B2B営業マーケティングトータルサポート企業。B2B営業マーケティング、テレアポ、メールアポ獲得などをトータルサポート。
アイドマホールディングス
単なるテレアポや営業代行でなはく「テストマーケティングで必勝パターンを見つけ貴社に営業の仕組みを作る」会社。ベンチャー広報
スタートアップのためのPR会社。中小ベンチャー・スタートアップ企業専門であり、マスコミ露出を増やす「攻めの広報PR」を得意としている。
井上パブリックリレーションズ
最短距離で目標や目的の達成を可能にするパブリック・リレーションズ(PR)ソリューションを提供。老舗のPR会社であり、国内外に幅広くPR可能。
エコノミクス回して資金調達の準備
起業家コメント
資金調達に向けた数値づくりが出来ておらず、だらだらと資金調達ができずにブリッジラウンドを重ねることになった。教訓としては、どの程度まで数字が出ないと資金調達ができないかを理解をして、数字を作る必要があることがわかった。
事業会社のトップを口説けば調達できてしまうから、事業の仮説がうまくいっていなくても調達ができてしまう場合がある。その場合、一時的にはよいけど、エコノミクスが回っていないと結局破滅してしまうし、そんな事例が増えているようにみえる。
売り方の確立(マーケティングの確立)と、稼ぎ方の確立(ビジネスモデルの確立)が必要であり、両輪が回っている状態があって始めて次の調達ができる。
早い内にexitのイメージを組み立てて、それに応じた調達のvaluationや調達金額などを決めていくと良いかと。最初のうちはいいんですけどシリーズA以降に入ってくると、どちらの方向に進むんだという選択によって、思うような評価に繋がらなかったりすると思う。
調達前と後で社長のやる業務が減ってない、もしろ増えてるのはあんまりよくないかなーと思うので調達すればするほど社長のリソースが空くような資金使途も組み込んだ方がよいと思います。
聞き手コメント
Product Market Fitが問われるフェーズ。ユーザー数だけではあまり評価されず、実際の売上や解約率、LTV、CACなど実績が強く求められるため、資金調達を実現するために必要となる数字を意識した事業計画が必要。
実績がでるのに時間がかかることも多いので、スムーズに資金調達が出来なかった場合の次善策を考えておく必要もあり、つなぎ融資やブリッジファイナンス、株式型クラウドファンディング、M&Aプラットフォームの活用などの事例も多くあります。
役に立ちそうなお薦めサービス
ファンディーノ
国内取引量No.1の株式投資型クラウドファンディング
エメラダバンクオンラインレンディングサービス
Siibo(シーボ)少人数私募債発行を通じた資金調達のサポートサービス
OLTA(オルタ)請求書を、必要な時にすぐに資金化するオンライン完結型のファクタリングサービス
M&Aクラウド資金調達だけでなく、M&A、事業売却までも行えるM&Aマッチングプラットフォーム。出資・買収検討企業からの掲載手数料で運営しているので、着手金・成約手数料などすべて無料。
関連記事:アーリーステージとは?向いている資金調達手段や成功例を紹介
PMF実現までの挑戦回数を増やすための努力とリスク
起業家コメント
PMFが明確に見えるまでにオフィス費用などの固定費はできるだけ下げること。過去PMF前に大きめの資金調達をして、すぐに採用&オフィス移転をする起業家仲間がいたが、PMFが成り立たず引っ越す必要がでたときに、違約金でキャッシュが吹っ飛んだ人がいた。
オフィスの固定費をできるだけ削減するために、知り合いのスタートアップ企業のオフィスを間借りさせてもらった。10名程度まで居させてもらっていた(数百万円分のコスト削減になった)。
生き残るためにメインのサービス開発と並行して受託開発をしていた。ただ、成長スピードは遅くなってしまい、受託ドメインの仕事を撤退しないと本業が立ち上がらなくなる問題に一時期陥った。メイン事業の売上が伸びてきたタイミングで、投資家からの資金調達をして受託開発は完全に辞めており、今は本業一本で伸ばしている。
開発コストをできる限り削減する(開発効率をよくする)ために、単純なコーディング作業(フロント部分)は外部に発注し、自社エンジニアにはバックエンド側の開発に注力してもらっている。
聞き手コメント
プロダクトに拘るあまり、開発コストが上がりすぎの会社も見かけるので要注意。挑戦できる回数を増やすためにも、資金調達後にオフィス費用や内装費に金額をかけすぎたり、資金調達で気が緩んで経営陣の給与を高く設定するなどしないように気をつけてください。
今後マクロ経済の悪化の可能性もあるため、対策としては「早期黒字化の計画を作る」「SOなどを用いて給与水準の引き下げを行う」「家賃や月額サービスなどの固定費を削減する」「M&Aを見据えた準備」あたりがありうるかと思います。さらに厳しくなったら人員整理も視野にいれつつ、出資者・融資者などとも密接にコミュニケーションをしておくことが重要となります。
役に立ちそうなお薦めサービス
ヒトカラメディア
スタートアップ向け「オフィス移転支援」を中心に「働く場」「働き方」に関するプロジェクト全般の企画・実現のサポートを行う企業。「居抜き入居可能なオフィス物件」を紹介するサイトも運営。
ベンチャープロパティオフィスの移転、退去の際に大きな足枷となってしまう”退去費用(原状回復+退去までの残存期間など)”を0円に退去期間を0ヶ月にできるオフィス移転サービス『トビタツ』を提供。
オフィスバンクベンチャー企業を中心にオフィス移転コンサルティングを行う企業。
渋谷エリアの実績No1、2004年の創業以来培った豊富なベンチャー移転ノウハウ。
VRによる居抜きマッチング事業もグループにて実施。
Kaggレンタル
新品オフィス家具の月額レンタルサービス。初期投資不要で、必要な時に必要な数だけ、1脚単位で借りることが可能。
日本商業不動産賃貸オフィスの敷金(賃料の10~12ヶ月分)を半額以下にできる保証サービス「保証金半額くん」。移転時に利用することで移転の資金負担を大きく削減できる。いま預けている敷金を保証に置き換えることも可能。保証金が戻ってくるため、資金調達の1つの手段として使える。また保証の提供だけでなく、居抜き物件や多様なニーズに応じたベンチャー向き物件の紹介(仲介)も行っており、オフィス移転全般の相談が可能。敷金を低減できるオフィスと保証の紹介サービス「フラットオフィス」
プロトタイピング道場WEBサービス・スマホアプリのプロトタイプ構築支援サービス。プロトタイプの作成を30万~で実現。フロントのみの開発受託も実施
編集後記
アーリー期以降の課題はほとんど「ヒト」に根ざした問題ばかり。事業のHard Thingsよりも、ヒト・組織のHard Thingsが一番大きいですね。今回は10社以上のヒアリングをまとめて掲載していますが、スタートアップ企業毎にどう課題にぶつかり、どう対処したかを時系列で掲載した方がパターン認識できると思うので、レイター期編が終わったら今後は1社ずつ紹介していこうと思います。乞うご期待。
自社に合ったVC・投資家を効率的に見つけませんか?
StartupListでは、投資家の投資レンジや評価基準、過去の経歴等から
自社に合った投資家を検索可能。
StartupList上で、見つけた投資家とそのままコンタクトをとることもできます。
現在、登録済のベンチャー企業は8,500社以上、投資家数は3700名以上。
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画像出典元:unsplash