東京大学の子会社という立場で、東大と事業会社の窓口機能を有し、事業会社との連携やVCの枠組みにとらわれない投資を行えることが特徴の東京大学協創プラットフォーム開発の特徴・投資先実績・投資判断のフローを解説します。
東京大学協創プラットフォーム開発の概要
東京大学協創プラットフォーム開発の組織体制
常勤投資担当4名で運営。
▶河原 三紀郎 Chief Investment Officer
・2016年より東大IPCに参加。投資および事業開発を管掌。
・1997年に凸版印刷株式会社入社、ITエンジニアとして工場内システムの開発や画像処理の研究開発に従事後、本社経営企画本部で事業部再編や外部との提携・M&Aなどを担当。
・2007年に理化学研究所発ベンチャーの株式会社理研ジェネシスを設立し取締役COOに就任、約10年間にわたって遺伝子解析による個別化医療を推進。また、2014年より大阪大学発ベンチャーの株式会社BNAの代表取締役社長・CEOを兼任。
・東京大学大学院工学系研究科修了(数理工学)
・Northwestern大学Kellogg School of Management (MBA) & McCormick School of Engineering (MEM)
▶投資先
クリュートメディカルシステムズ
アキュルナ
タグシクス・バイオ
ブレイゾン・セラピューティクス
モダリス
▶福島 彰一郎 パートナー
・2018年より東大IPCに参加。工学系分野を中心としたベンチャー創出と事業評価を管掌。
・戦略系コンサルティング会社の取締役として、大手生産財メーカーを中心に新製品開発・新規事業開発コンサルティングで18年以上の実績をもつ。また技術者向けの実践的なビジネスリーダー育成プロジェクトも多数実施。技術経営分野の講演や執筆活動も行う。
・東京大学大学院工学系研究科材料学専攻修了、東京大学先端科学技術研究センター研究生、カーネギーメロン大学技術政策学部(Engineering Public Policy)修了
▶投資先
QDレーザ
コネクテッドロボティクス
▶水本 尚宏 パートナー 投資・インキュベーション担当
・2017年より東大IPCに参加。IT・サービス系ベンチャーへの投資、起業支援プログラムのプログラムを管掌。
・大和SMBCキャピタル(現、大和企業投資)にてIT・医療などハイテク分野へのベンチャー投資を経験後、昭和シェル石油に転職。タスクフォースリーダーとして決済プロジェクト、新電力プロジェクト、店舗のデジタルトランスフォーメーションなど、新サービス企画から市場導入まで主導。2017年1月より東大IPCにて再度ベンチャー投資業務を担当。起業支援プログラムを立上げた。
・京都大学院修了(技術経営学)、弁理士試験最終合格(2004年)
典型的なB型。一人で仕事ができそうという理由で弁理士を目指して無事合格するも、京都大学院の起業家教育の影響を受けてベンチャーキャピタル業界に入る。 せっかく弁理士の勉強したし…という理由からハイテク投資を担当。極度の方向音痴故に、最初の投資先は位置情報関連ベンチャー。 その後リーマンショックの影響で事業会社に転身。企画屋として楽しく働いていたが、初志貫徹すべくベンチャー投資に復帰。
▶投資先
Xenoma
TELEXISTENCE inc.
Synspective inc.
株式会社アクセルスペース
ASTROSCALE PTE.LTD.
コネクテッドロボティクス
モジュラス
▶古川 圭祐 マネージャー
・2019年、東大IPCに参加。投資及び事業開発を管掌。
・2010年、ソニー株式会社入社。テレビ事業本部で欧州マーケティングチームに配属。欧州での各販社のマーケティング活動のサポートやビジネスプランニングに奔走。
・2012年〜2016年においては、ソニーのロシアの販売会社にて営業チームを率いる。売上・市場シェア拡大へ貢献。
・2018年、Golden Whales GroupにVP of Sales として参画。ベンチャー投資関連、新規事業開発、技術営業などを管掌。
・慶應義塾大学法学部政治学科、INSEAD MBA修了
▶投資先
ウェルスナビ株式会社
株式会社アイデミー
東京大学協創プラットフォーム開発の投資判断のフロー
審査プロセス
審査プロセスは以下のフローになります。
STEP①:社内会議
STEP②:投資委員会(1回目)
STEP③:投資委員会(2回目)
STEP④:法務・会計DD
理論上の最短期間は2ヵ月ですが、シード投資の場合は最短1ヵ月での意思決定も可能です。
審査に必要な書類
審査には以下の書類が必要です。
一般的にVCから求められる資料で対応可能です
投資判断における審査ポイント
重視する点は以下です。
事業性
実行力(実現性)
支援意義
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東京大学協創プラットフォーム開発の投資先
以上のスタートアップやファンドなどに投資をしています。
代表的な投資先企業:モダリス
画像出典元:会社HP https://www.modalistx.com/jp/
【事業概要】切らないゲノム編集を使った創薬
【資金調達の近況】ベンチャーキャピタルなどから40億円以上の資金を調達
【会社HP】https://www.modalistx.com/jp/
代表的な投資先企業:ウェルスナビ
画像出典元:会社HP https://soeju.com/
【事業概要】全自動のおまかせ資産運用サービス
【資金調達の近況】約41億円の資金を調達
【会社HP】https://www.wealthnavi.com/
代表的な投資先企業:テレイグジスタンス
画像出典元:会社HP https://tx-inc.com/ja/
【事業概要】遠隔操作・人工知能ロボットの開発およびそれらを使用し事業を展開するロボティクス企業
【資金調達の近況】エアバスやKDDI系のファンドなどから10数億円の資金を調達
【会社HP】https://tx-inc.com/ja/
その他投資先企業
クリュートメディカルシステムズ(世界初のヘッドマウント型自動視野検査装置)
Xenoma(スマートアパレルの開発と関連サービスの提供)
アキュルナ(核酸医薬の薬物輸送システム)
タグシクス・バイオ(人工的なDNA塩基対を用いたDNAアプタマー創薬)
ブレイゾン・ セラピューティクス(脳血管関門を超える画期的な薬物輸送システム)
TELEXISTENCE(遠隔操作・知能化ロボット開発)
QDレーザ(半導体レーザ応用製品:弱視者用アイウエア、シリコンフォトニクス)
Synspective(小型SAR衛星の開発・運用とデータソリューションの提供)
アクセルスペース(超小型衛星の開発・運用及び取得データによるソリューション提供)
Astroscale Holdings(スペースデブリ除去・軌道上サービス)
モダリス(旧エディジーン)(独自のゲノム編集プラットフォームによる創薬)
コネクテッドロボティクス(調理ロボットシステムの開発と販売)
ウェルスナビ(資産運用ロボアドバイザー)
アイデミー(AIオンライン学習サービス / AIプロジェクトの内製化支援)
モジュラス(最先端創薬テクノロジーを駆使したネットワーク型創薬企業)
まとめ
東京大学協創プラットフォーム開発の特徴は、東京大学の子会社という立場で、東大と事業会社の窓口機能を有し、事業会社との連携やVCの枠組みにとらわれない投資を行えることです。あらゆるラウンドのスタートアップへの投資を行っており、追加フォロー投資にも積極的です。興味のある方はぜひご連絡してみてください。
※概要欄に連絡先を記載しております。
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