既存産業のDX化、特化型SaaSなど、創業前後のスタートアップへの支援に強みを持つGazelle Capitalの特徴・投資先実績・投資判断のフローを解説します。
投資テーマや投資スタイル、組織体制などを独自取材しました!
(作成:StartupList編集部 最終更新:2022/02/28)
Gazelle Capitalの概要
関連記事:シードラウンドとは?資金調達手法や特徴、基準、投資ラウンドを紹介
Gazelle Capitalの組織体制
少人数で投資検討・実行を行っています。
石橋 孝太郎 代表パートナー
大学在学中は、非営利事業や、地方自治体と連携した起業家育成、Wantedlyの運営代行など複数の事業を創業。2016年4月よりは、クライアントだったことを縁に、クルーズ株式会社にて採用部門に業務委託として参画。それをきっかけに同社に対して、長期的な採用ブランディングのためにも投資事業(CVC)の立ち上げについて提案。2016年11月にはクルーズベンチャーズ株式会社(CVC)を創業し、取締役に就任する。同社でベンチャーキャピタル業の基本を学び、約18ヶ月間で30社強のスタートアップ企業に投資を実行。投資先の発掘,追加調達業務など、全ての実務に携わる。同社での主な投資先は、株式会社Branding Engineer,株式会社ROXX, 株式会社VARKなど多岐にわたる。2018年11月クルーズグループを退職。同年12月よりGazelle Capitalを立ち上げ準備開始、2019年5月に創業。同ファンドでは、地方自治体,企業とのつながりを活かし、既存産業,インターネット化が遅れている市場に挑戦する創業期の起業家の支援に特化している。
代表パートナーの石橋氏は、同時にベンチャー企業の経営も行い、事業会社や株式投資型クラウドファンディングによる資金調達を実施するなど、投資家としてだけでなく起業家としても活動をされています。
近藤 絵水 インベストメントチーム キャピタリスト
在学中にベンチャーキャピタリストの方と話した経験から、スタートアップやキャピタリスト業務に興味を持ち、Gazelleやスタートアップ企業でのインターンを始める。大学ではアメリカのベンチャーキャピタルに焦点を充て、スタートアップ事業環境の変化や近年の取り組みについて研究した。卒業後、LINEを使った顧客コミュニケーションサービスを提供するMicoworks株式会社に新卒入社。インターン期間も含め約1年間、カスタマーサクセス業務を遂行。2021年7月からGazelle Capitalに1号社員として参画。当社では、キャピタリスト業務を主軸に業務全般幅広く携わる。家業が米穀商であること、前職がSaaS企業であったことから、Gazelleの主領域である既存産業×IT・SaaSの領域に強い興味を持つ。その中でも特に現在、toBにおけるカスタマーサクセス業務に関心を持ち学んでる。
初見 洋介 ファンドマネジメントチーム キャピタリスト
2016年新卒でみずほ銀行に入行。都内の支店にて中堅中小企業、大企業や新規顧客開拓等の法人営業を担当。2018年に友人が起業してVCから調達したことをキッカケに興味を持ち、同行の CVCである、みずほキャピタルに出向。キャピタリストとして従事。2019年より本部のスタートアップ支援部署である「イノベーション企業支援部」 に配属。当初はマザーズ上場先へのカバレッジを行い、後に未上場企業のカバレッジへ転籍。シンジケートローンやMBOローンなど、様々な融資業務スタートアップの資金調達及び上場に向けた支援、またM&Aオリジネーション業務や様々な VCのカバレッジに従事。2022年1月よりGazelle Capitalに参画。主な業務としては投資業務やファンド管理、LP営業などを行う。
スタートアップの売上やPoCにダイレクトに貢献可能
Gazelle CapitalのLP(Limited Partner)は、東京以外の地方を含む国内の上場・未上場企業を中心に構成されています。スタートアップ支援に関して前向きな企業とのコネクションを生かし、金銭による投資だけでなく、LPによる投資先サービス導入による売上実績作りや、PoC(概念実証)への協力なども、スタートアップに対して行っています。実際に、ドメスティックな産業、領域へのDXに貢献するプロダクトをもつスタートアップと、DXによる経営改善を行いたい地方企業を繋いだ実績もあります。
Gazelle Capitalの投資判断のフロー
審査プロセス
審査プロセスは以下のフローになります。
①一次面談
②社内検討
③二次面談
④投資委員会
審査スピードは、案件に応じて対応します。
初回面談に必要な書類
審査には以下の書類が必要です。
必須書類
ピッチ資料
あると良い書類
資本政策表
事業計画書 など
投資判断における審査ポイント
重視する点は以下です。
ミクロな課題感(取り組む課題の話)
どうにもできない、困り度合いの高い課題かどうか
マクロな規模感(市場規模の話)
上記のミクロな課題感が、潜在層も含めてマクロの規模でどのくらい存在するか(スタートアップの成長に足るマーケットサイズがあるか)
チーム投資条件のすり合わせ
マッチしにくい/相性の良くない会社や起業家
こんな会社や起業家には投資しにくい、というポイントについて伺いました。
ミクロな課題感を見つけられていない場合
マクロな規模感が小さい場合(対象となる市場規模が小さい場合)
エンジェル投資家の探し方については下記にまとめましたので、興味がある場合はご一読ください。
関連記事:エンジェル投資家とは?出資の受け方、知っておくべき裏の顔 関連記事:エンジェル投資家とマッチングするには?おすすめ方法4選と落とし穴
Gazelle Capitalの投資先
1号・2号合わせて、30~40社のスタートアップなどに投資しています。(2022/02/08時点)
代表的な投資先企業:any株式会社
画像出典元:会社HP https://anyinc.jp/
【事業概要】ナレッジマネジメントツール「Qast」の企画、開発、運営
【会社HP】https://anyinc.jp/
【投資への経緯】代表の吉田さんと、2018年11月頃にパートナー石橋が前職を退職して間もない頃に出会いました。その頃からずっと、吉田さんの人柄や志、何よりその実直にやりきり続ける姿勢に魅力を感じ、1度目は2019年6月のGazelle Capital組成直後に投資しました。そこから変わらず誠実に顧客に向き合い、成果を伸ばし続ける吉田さんに強く期待をし、追加投資を実行しています。
代表的な投資先企業:Recustomer株式会社
画像出典元:会社HP http://recustomer.co/
【事業概要】カスタマーリテンションプラットフォーム「Recustomer」開発、運営
【会社HP】http://recustomer.co/
【投資への経緯】彼らの挑戦している領域は「返品」なので、市場が一見狭く見えるかもしれませんが、現在、多くの小売事業者さまは返品対応の業務プロセスを最適化しきれておらず、結果、顧客が良い返品対応を享受できず、購買からの離脱に繋がってしまうというミクロな課題が存在しています。顧客の返品体験の向上により、顧客体験を最大化し、小売事業者様の売り上げを最大化することに対して、最高のチームで挑戦していく姿に、大きく期待をしています。追加出資も実行しています。
代表的な投資先企業:Paintnote株式会社
画像出典元:会社HP https://paintnote.co.jp/
【事業概要】塗料業界特化のSaaS開発、運営
【会社HP】https://paintnote.co.jp/
【投資への経緯】 Paintnote社の代表のお二人は、業界未経験ながらも、誰よりも塗料業界に向き合い、課題を深く突き詰めて、プロダクト化を果たしました。各プロダクトが着実に塗料業界に普及し、業界構造を大きく変化させていくプレイヤーになっていけると強く期待し、創業期の頃より投資、支援しています。また、追加投資もしています。
※プロトスター社のSwingBy卒業生
代表的な投資先企業:トランスミット株式会社
画像出典元:会社HP https://transmit-inc.jp/
【事業概要】monit(モニット)の開発、運営
【会社HP】https://transmit-inc.jp/
【投資への経緯】旧来の友人でもあり、創業期から投資しています。とはいえ、起業家と投資家という立場で支援し、追加出資も実行しました。国内の基幹産業の一つである製造業を東海地域から大きく変化させていく、トランスミット社とそのチームに今後も強く期待しています。
※プロトスターのGear Change Day登壇企業
関連記事:VC一覧!シード向けや独立系ベンチャーキャピタルも紹介
まとめ
Gazelle Capitalの特徴は、創業期のスタートアップへのサポートが手厚い点です。Gazelle Capitalは、「ガゼル企業」(成長力が著しく、雇用創出力が非常に高い企業)の創出を目指して、既存産業×IT・インターネット領域・DXを中心に幅広く出資を行っています。
また、代表パートナーが起業家と投資家の二足の草鞋を履いていたり、Gazelle Capital
自身も創業間も無く、スタートアップのようなベンチャーキャピタルであったりすることから、近い目線でスタートアップの支援ができるのが強みになっています。興味のある方はぜひご連絡してみてください。
※概要欄に連絡先を記載しております。
自社に合ったVC・投資家を効率的に見つけませんか? StartupListでは、投資家の投資レンジや評価基準、過去の経歴等から
自社に合った投資家を検索可能。
StartupList上で、見つけた投資家とそのままコンタクトをとることもできます。
現在、登録済のベンチャー企業は8,500社以上、投資家数は3700名以上。
|
画像出典元:unsplash