社会インフラの一つとなっているATMプラットフォーム事業を筆頭に自社事業とのシナジーが期待できる企業への出資を行うセブン銀行の特徴・投資先実績・投資判断のフローを解説します。
投資テーマや投資スタイル、組織体制などを独自取材しました!
(作成:StartupList編集部 最終更新:2022/03/07)
セブン銀行の概要
セブン銀行の組織体制
主に4名を中心に、投資検討を担当しています。
西井健二朗 執行役員 セブン・ラボリーダー兼戦略事業部長
1994年三和銀行入社、主にリテール部門での商品開発・ローン証券化ビジネスに従事した後、モルガン・スタンレー証券(証券化事業)、大和証券グループ本社(銀行設立プロジェクト)を経て、2012年にセブン銀行入社。現在はセブン・ラボのリーダー 兼 戦略事業部長としてスタートアップ企業とのオープンイノベーションによる事業創造を推進。
中田裕朗 戦略事業部 グループ長
ソニーグローバルソリューションズ(2007~)、証券保管振替機構(2010~:経営企画・調査企画業務等に従事)を経て、2018年にセブン銀行入社。現在は戦略事業部のグループ長として、出資先企業との協業や、預金口座ビジネスの新規事業企画・開発を推進。
金子雅佳 株式会社セブン銀行 戦略事業部
2018年コンサルティング会社に入社。
金融機関の顧客に対し、デジタル戦略立案支援、国内外の金融機関やFinTech企業の戦略調査、システム導入に携わる。2021年以降、セブン銀行にて新規事業企画や出資業務に従事。
山方大輝 株式会社セブン銀行 セブン・ラボ兼戦略事業部
2014年にSMBC日興証券株式会社入社。主にリテール部門でのセールス、金融市場の調査業務、マーケティング業務に従事。その後、2020年にセブン銀行入社。
現在はセブン・ラボ 兼 戦略事業部の一員としてスタートアップを始め各企業とのオープンイノベーションによる事業創造を推進。
イノベーション戦略としてのスタートアップとの関わり
セブン銀行では、2016年から本格的にスタートアップ企業への投資や資本業務提携などの活動を開始しました。「何か新しいモノをスピード感を持って実現するには、スタートアップの力を借りる必要があるのではないか」という考えでスタートアップ企業と向き合っています。
★実際の投資実行に至る詳しいストーリーは「起業LOG」の記事にて紹介されています。
セブン銀行の投資判断のフロー
審査プロセス
審査プロセスは以下のフローになります。
STEP①:社内会議
STEP②:法務、財務DD
STEP③:出資委員会
STEP④:経営会議、取締役会
初回面談に必要な書類
以下の書類が必要です。
ピッチ資料
投資判断における審査ポイント
重視する点は以下です。
当社事業にシナジー効果を発揮できるか
当社戦略上の意義あるケースか
業務的な提携を含め当社サービスの拡充、効率化が見込めるか
エンジェル投資家の探し方については下記にまとめましたので、興味がある場合はご一読ください。
関連記事:エンジェル投資家とは?出資の受け方、知っておくべき裏の顔 関連記事:エンジェル投資家とマッチングするには?おすすめ方法4選と落とし穴
セブン銀行の投資先
これまでに10件以上のスタートアップに投資しています。
代表的な投資先企業:株式会社カンム
画像出典元:会社HP https://kanmu.co.jp/
【事業概要】個人向け決済サービス「バンドルカード」を提供
【会社HP】https://kanmu.co.jp/
【投資への経緯】最初に出会ったのは決済サービスに携わる方々の勉強会サークルです。カンム代表が主催する勉強会に投資担当者が参加して関係構築をしていく中で、投資タイミングが合った際にお声がけをしました。
代表的な投資先企業:TORANOTEC株式会社
画像出典元:会社HP https://toranotec.com/
【事業概要】投資サービス「おつりで投資 トラノコ」のアプリ運営等
【会社HP】https://toranotec.com/
【投資への経緯】2016年に開催されたセブン銀行主催の第1回アクセラレータプログラムに参加いただいたのがきっかけです。その場での採択にはなりませんでしたが、その後アプローチを受けて、シード投資の実施に至りました。
代表的な投資先企業:株式会社タイミー
画像出典元:会社HP https://timee.co.jp/
【事業概要】ワーカーと店舗をつなぐアプリの運営等
【会社HP】https://timee.co.jp/
【投資への経緯】起業家と投資家の情報検索・マッチングサービス「StartupList」を通じて連絡があり、面談を行いました。それ以降も継続してコンタクトをとる中で投資に至りました。
その他投資先企業
レスキュー損害保険株式会社(損害保険業)
五常・アンド・カンパニー株式会社(マイクロファイナンス事業)
LIGHTNET PTE.LTD.(資金移動業、仮想通貨交換業、分散型取引所)
株式会社メタップスペイメント(決済代行サービス、給与即払いサービス等の提供)
株式会社カウリス(セキュリティビジネス)
株式会社one visa(外国人のビザ取得・更新等の従業員管理事業等)
アイ・ティ・リアライズ株式会社(金融サービス事業、システム受託開発等)
株式会社デジタルアセットマーケッツ(暗号資産交換業)
株式会社ナッジ(チャレンジャーバンク事業)
ペイトナー株式会社(フリーランス向けファクタリング事業)※旧yup株式会社
セカンドサイトアナリティカ株式会社(アナリティクス・AIサービス事業)
関連記事:VC一覧!シード向けや独立系ベンチャーキャピタルも紹介
まとめ
セブン銀行の特徴は、ATMプラットフォーム事業を中心としたセブン銀行の事業に関するシナジー投資を行うことです。シード段階からの投資実績もあり、幅広い事業ステージからの連携も行っています。興味のある方はぜひご連絡してみてください。
※概要欄に連絡先を記載しております。
自社に合ったVC・投資家を効率的に見つけませんか? StartupListでは、投資家の投資レンジや評価基準、過去の経歴等から
自社に合った投資家を検索可能。
StartupList上で、見つけた投資家とそのままコンタクトをとることもできます。
現在、登録済のベンチャー企業は8,500社以上、投資家数は3700名以上。
|
画像出典元:unsplash