ポストバリュー・プレバリューは、企業価値を表す言葉として投資家と企業家の間で頻繁に出てくる言葉です。
そのため、自社の価値がどれくらいかを把握しておく必要があるでしょう。
それぞれの意味や、高い場合のメリットやデメリットについて具体例も踏まえながら紹介します。
ポストバリューとは
ポストバリューとは資金調達後における企業価値のことですが、メリットやデメリットはどのような点が挙げられるのでしょうか。
ポストバリューが高い場合と低い場合をそれぞれ確認します。
ポストバリューが高い場合のメリットとデメリット
高い場合のメリットは調達後に企業価値が高くなった証明であり、一定の企業価値があることを対外的に示せることです。
結果的に、会社やビジネスに対する評価が高まるでしょう。
デメリットとしては次回資金調達を実施する場合、ハードルが高くなることが挙げられます。
今回出資した株価以上の株価を付けることが難しい場合は、ダウンラウンドとなる可能性もあり得るでしょう。
ポストバリューが低い場合のメリットとデメリット
低い場合のメリットは、逆に次回の資金調達ハードルが低くなることが挙げられます。
倍々の急成長を描く事業でなくても、今回以上の価値が付く可能性が高いでしょう。
デメリットとしては、ポストバリューのメリットが享受できない点が挙げられます。
企業として一定の評価がなされていないことから、事業への魅力度が薄れるという懸念も想定しておかなければなりません。
ポストバリューの計算方法
ポストバリューの計算方法は、
ポストバリュー=資金調達額+プレバリュー
として算出されます。
資金調達額とプレバリューのそれぞれにおいて分解すると、
- 資金調達額=調達時の株価×今回調達時の発行株数
- プレバリュー=調達時の株価×前回調達迄の発行株数
で表現が可能です。
上記の式をまとめると、
ポストバリュー
=(調達時の株価×今回調達時の発行株数)+(調達時の株価×前回調達迄の発行株数)
=調達時の株価×(今回調達時の発行株数+前回調達迄の発行株数)
=調達時の株価×今回調達時の発行株数を含めた総発行株数
となります。
プレバリューとは
プレバリューとは資金調達前の企業価値ですが、メリットやデメリットはどのような点が挙げられるのでしょうか。
ポストバリュー同様、プレバリューの高い場合と低い場合をそれぞれ確認します。
プレバリューが高い場合のメリットとデメリット
高い場合のメリットは、既に出資済みの既存株主に対する株主価値の向上が挙げられます。
事業がより成長している場合は、プレバリューに対する新規投資家候補への説得力が増すでしょう。
デメリットとしては、リード投資家が算定したプレバリューの株価に対して、出資を検討している新規投資家との間で、株価における認識の乖離が発生する可能性があります。
さらに株価が高いという評価がなされた場合、出資者が集まりづらい可能性も想定しておかなければなりません。
プレバリューが低い場合のメリットとデメリット
低い場合のメリットは、投資家側にとって、出資したい会社に対し安価に出資できることです。
デメリットとしては、企業側の資金調達額が少なくなる点や、調達額によってはオーナー持分の希薄化懸念があります。
プレバリューの計算方法
ポストバリューのところでも触れましたが、プレバリューは
プレバリュー=調達時の株価×前回調達迄の発行株数
となります。
この場合における調達時の株価については、企業の事業計画を根拠としてDCF法やマルチプル法で算定可能です。
DCF法は、企業が将来的に毎年生むキャッシュに対して、一定の料率により割り引いた場合に、その総和がどのぐらいの価値になるかで算出します。
マルチプル法とは、既に株式上場している類似企業の中から株価を参考にして価値を求める方法です。
まとめ
ポストバリューとプレバリューについて確認しました。
双方とも企業価値に対する重要な考え方ですが、高すぎても低すぎても、それぞれメリット、デメリットが発生します。
とりわけスタートアップ企業は未上場のため、適正な企業価値を算定するのは非常に難しいです。
今後の企業成長や資金調達戦略と合わせて、適正な企業価値を検討して行く必要があります。
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画像出典元:Unsplash